ブルックスの法則とは?仕事に役立つ法則をイラスト具体例で解説

ソフトウェア開発

ブルックスの法則はソフトウェア開発プロジェクトに関する有名な法則の一つですが、知っておくと様々なビジネス・仕事に役立つ法則です。ちなみに『逃げるは恥だが役に立つ』ガンバレ人類!新春スペシャル!!(2021年放送)にもこの法則の名前が登場しました。導入として、まずはそのシーンを振り返ってみましょう。



どんなシーン?

平匡(星野源)はとある事情からプロジェクトの進捗をなんとしても遅らせるわけにはいきません。しかし様々な問題からスケジュールには遅れが…その遅れを挽回するための対策会議の中で、プロジェクトメンバーの増員が提案されますが…

逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!!新春スペシャル!!

というシーンで出てきた言葉がブルックスの法則です。さてこれはどんな法則なのでしょうか?

ブルックスの法則

遅れているソフトウェアプロジェクトへの人員追加は、プロジェクトをさらに遅らせるだけである

直感的にはプロジェクトメンバーを増やせば開発スピードの向上できそうに思います。同じ作業なら1人でやるよりも2人でやる方が早く終わりますよね?しかし、以下の理由から期待されるようなスピードアップは望めません。

  1. 追加人員がプロジェクトに貢献し始めるには時間がかかる
  2. 人員が増えるとコミュニケーションコストも増える
  3. タスクの細分化には限界がある

それぞれ解説していきます。

理由1:追加人員がプロジェクトに貢献し始めるには時間がかかる

プロジェクトに途中追加された人員は、まずそのプロジェクトの状況を把握することに時間を使います。加えて、追加人員に情報共有するために他のプロジェクトメンバーの時間も消費します。

例えば…

既に開発が始まっているプロジェクトに途中参戦することになった助っ人Aさんは、このプロジェクトについては右も左もわかりません。そこでAさんはまず既にプロジェクトメンバーのBさんから、

プロジェクトの目的や体制の説明を受け、採用しているプロセスを説明を聞き、利用するツールのマニュアルを渡され・・・。そうしてAさんは何日かBさんと一緒にプロジェクト参加の準備をして、やっとプロジェクトの人員として活躍できるようになりました。このようにプロジェクト途中参加のAさんはプロジェクトの情報を理解するために多くの時間を使い、さらにAさんをリードしてくれたプロジェクトメンバーのBさんの時間も消費してしまっています。

理由2:人員が増えるとコミュニケーションコストも増える

プロジェクトを円滑に進めるためには、進捗確認や業務連絡など様々なコミュニケーションが必要となります。そして人数の多いチームは人数の少ないチームに比べてコミュニケーション時間が多くなります。

人数増加とコミュニケーションコスト増大の例(ブルックスの法則)

例えば…

ごく単純な試算ですが、AさんとBさんの2人チームの場合、2人が連絡を取り合う経路は2通りしかありません。図のように、AさんからBさんへ、逆にBさんからAさんへ、といった具合です。ここにCさんが加わって3人チームになると連絡を取り合う経路のパターンは6通りに増加します。一人増えただけで3倍の経路数になりました。2~3人のような小規模チームの場合は深刻な問題にはならないかもしれませんが、現実のプロジェクトのメンバー数はもっと多いでしょう。チームメンバー数をnと置くと連絡を取り合う経路パターン数はn×(n-1)で表現されます。メンバー数の2乗でコミュニケーションの経路数が増えるため、メンバー増員時のコミュニケーションコストの増加は侮れません。

理由3:タスクの細分化には限界がある

タスク(1つの業務)を、複数のタスクに分割できれば、分割されたタスクをチームメンバーで手分けして進めることができますが、そういったケースばかりではありません。

例えば…

プロジェクトが3つのタスクで構成されていて、3人でチームで開発しているケースを考えてみましょう。3タスクのうちの1つが2タスクに分割できるとタスクの数は3→4になります。この場合は人員を4人に増やすことで一度にこなせるタスクの量が増えて、開発のスピードアップできるでしょう。では、4つのタスクがもうこれ以上分けることができないときはどうでしょう?この場合、さらに人員を追加してももうスピードは上がりません。仮に増員しても割り当てられるタスクがなく、連れてこられた増員メンバーもやることがない、いわゆる「あそんでいる」状態になってしまうわけですね。

まとめ

一見、不思議な法則ですが、個々の理由を紐解くと、なるほど!となると思います。プロジェクトの進捗が思わしくないとき、すぐに追加の人員を投入しようとするプロジェクトマネージャがあなたの身の回りにもいませんか?もしかしたらその判断は、プロジェクトの完遂の障害になるかもしれません…

おまけ:法則の名前の由来

ソフト開発における法則名は、それを述べた先人たちの名前からとられていることが多いです。

今回紹介したブルックスの法則はフレデリック・ブルックス氏が、著書:人月の神話(”The Mythical Man-Month”)の中で綴った内容によるものです。

フレデリック氏は、IBM System360の設計者の一人であり、現在にも通ずるこの法則を1975年出版の上著の中で述べています。

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